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混ぜるだけの簡単なスイス風リンゴケーキの作り方です。めちゃくちゃ簡単で、絶対失敗しません。
この記事は「スイスのタルト(ヴェーエン)と薪釜の関係」の後編です。

スイスのタルト(ヴェーエン)生地をクーヘンタイクと呼びます。ドイツから来た、特にベーキングに詳しい私みたいな人は、いろんなスイスの名称にすごく最初は戸惑うと思います。クーヘンっていうと、ビスキュイみたいな膨らんだものをパッと想像してしまうので、それにパン生地を想像してしまうタイクって単語がくっついてて、「え?何ですか?それ?」みたいな。。。長く居ると慣れてくるんですけどね。

さて、このスイス風のタルト生地ですが、練りこみパイ生地みたいにバターを小さく切ってよく冷やしておいて、粉と塩を混ぜたものの中に加えてスケッパー等で細かいそぼろ状になるように混ぜ合わせたら、水を加えて捏ねてまとめて30分以上寝かせます。(冷蔵庫で一晩でも二晩でもいいです。ここまで作って冷凍してしまってもいいです。面倒な方はスーパーでクーヘンタイクを買ってください。代わりにパイ生地を使ってもいいです。)

クーヘンタイク
Ø30cm Ø26cm
小麦粉(Weissmehl, Typ 405) 250g 190g
バター 125g 90g
4g 3g
65g 50g
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生地を寝かせてる間にフィリングを作ります。リンゴは皮ごと粗い下ろし金で下ろします。リンゴは絶対にゴールデンデリシャス(こちらではGolden)を使ってください。他の種類のリンゴで作ると、出来上がった時に皮が口の中で硬く当たって全然美味しくありません。下ろし金はスイスのハッシュドポテトである、レシュティ用の穴の大きさがちょうど良いです。大きな穴の下ろし金がなければ、包丁で刻むしかないでしょうねぇ。リンゴが下ろせたら、残りの材料と一緒に混ぜるだけです。

フィリング
Ø30cm Ø26cm
リンゴ(ゴールデンデリシャス) 1150g 860g
砂糖 150g 110g
ヘーゼルナッツ プードル 60g 45g
生クリーム 200g 150g
コーンスターチ 50g 38g
シナモン 2.5g 2g
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タルト型にクーヘンタイクを伸ばしてのせて、フォークで穴をあけたらフィリングを流し込み、180度で45-50分焼いたら出来上がりです!すごく簡単で美味しいので、騙されたと思って作ってみてください。冷えたのをそのまま食べても美味しいですが、温めて、バニラアイスを添えていただくと絶品です。

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by deutschebaeckerin | 2018-11-09 23:28 | お菓子 | Comments(0)

ヌテラを手作り

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今日は子ども達とヌテラを手作りしてみた時のお話です。
ヌテラとは、チョコレート風味のパンに塗る甘いペーストです。

秋になると、ヘーゼルナッツが道端に落ちている場所が沢山あります。
子ども達が学校帰りにちょっとずつ拾って来るので、割って食べながらいろいろお話していたら、
子ども達の大好きなヌテラはヘーゼルナッツで出来てるんだよ~という話題になりました。
そしたら、案の定、自分で作ってみたい!!と言うので、
「よっしゃ、今度の連休で作ってみよう!」
となりました。

今は便利になったもので、「ヌテラを自作する」と検索すると、ドイツ人のお姉さんがヌテラの手作りを教えてくれる動画をみつけました。
子ども達と見てみて、関連動画にヌテラで作る星型のパンもあったので、こちらも作ろう!という話になりました。



さて当日は、「ヌテラを一緒に手作りしよう」と声をかけて、近所の子ども達も一緒に作ることになりました。
まずはヘーゼルナッツ集め。バケツを子ども達に渡して、「じゃ、よろしく~!がんばって集めておいで~。」と外に出してしまって、私は優雅に午前中のコーヒータイム。

しばらくして戻ってきた子ども達と、もう一度例の動画を見て、レシピを書き出しました。
よし、まずは殻を割って中身を出すところからね。

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「じゃ、よろしく~。お願いしま~す。」と道具を渡して子ども達にがんばってもらいます。やる気のあるうちにやってもらわないと、絶対途中で飽きてきて、最後は私の仕事になってそうなんですもん。

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次は、弱火でヘーゼルナッツの中身を炒ります。
もうこの辺で、2人ほど脱落して、別のことして遊んでおります。

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炒ったヘーゼルナッツの粗熱をとって触れるようになったら、両手で擦り合わせるようにして茶色い薄皮を取ります。
そして、次にナッツを砕いて油が出てとろ~りとするまで練ります。

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まずは、キッチンエイド付属品のミートチョッパーでひき肉を作るように細かくして、次にフードプロセッサーで更に粉砕していきます。

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が、これが、本当に途方に暮れるぐらい時間がかかりました。
本当に練りゴマみたいにトロトロになるんだろうか?と何度も思いましたし、途中フードプロセッサーが熱を持って熱くなってしまうので、何度も休憩しました。
そしたら、1時間半ぐらいかかってやっと本当にとーろとろになったんですよー。
ってね、もちろん、この作業の途中から仕事してるのは、私ひとりになってましたよ。
子ども達は外に遊びに行ってしまって、誰ももう家にいない状態・・・・。

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でも、最後ぐらいはちゃんと見て欲しいので、子ども達を連れ戻してはみたものの、あんまりもう興味なさそうでした。
それでも、残りの材料のチョコレート、ココア、砂糖などを入れてもらってフードプロセッサーで混ぜて、出来上がり!

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捏ねておいた生地で「ヌテラの星」という菓子パンも作り(ここはまた子ども達やる気まんまん)、最後は出来たヌテラを小さな小瓶に入れて、各々が家に持って帰りました。ヌテラの星は見た目も良くて美味しくて、あれから子ども達とパン生地でおやつを作る時によく作るようになりました。

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って、これは2年前の話なんですけど、秋になって、ヘーゼルナッツが道端に落ちてる季節になるたびに
「またヌテラ作ろうか~?」と聞いてみますが、いつも答えは、
「嫌だ~~!」になってしまいました。ちゃんちゃん。



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by deutschebaeckerin | 2018-11-06 05:00 | お菓子 | Comments(0)

私のシュトレンレシピと作り方を公開します。
パン作りに自信がある方でも、ドイツの工房に研修に来ているつもりで、とにかくこの作り方に忠実に一度作ってみてください。
自己流アレンジなしで一度ドイツの作り方に忠実にしたがってみるのも良いと思いますよ。違う世界が見えるかも。

昔から公開しているレシピはこちらです。
ここにない写真もあるので、少しは参考になるかもしれません。

Butterstollen (バター・シュトレン) 700g x 2個 または 350g x 4個

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レーズン350g
オレンジピール&レモンピール50g
ラム酒(またはキルシュ)30g

縦割りアーモンド50g
牛乳175g


小麦粉250g
生イースト25g


バター180g
砂糖50g
シュトレンスパイス※小匙 4
6g


小麦粉200g


溶かしバター100g
グラニュー糖適宜
粉砂糖適宜

f0141507_00530746.jpg※ シュトレンスパイスの配合割合 (ひいた粉の状態 gemahlen)
シナモン (Zimt)3
バニラ (Vanille)2
ナツメグ (Muskat)1
コショウ (Pfeffer)1
カルダモン (Kardamom)1


作り方とポイント

前日(24時間前)にする準備
ドライフルーツをラム酒と混ぜておくのですが、以下のような下処理をします。

  • レーズンはぬるま湯でさっと洗って、3分間熱湯につけた後、ざるの上などで水切りしておく。
  • オレンジピール&レモンピールは小さい方が美味しいので、さいころ状に切ってあるものでも更に包丁などで刻んでおく。
  • ラム酒(またはキルシュ)を振りかけてざっと混ぜたら、容器に蓋またはラップをしてそのまま室温でおいておく。


当日
中種づくり
油脂が多く、フルーツがたくさん入るシュトレンは重たい生地の代表で、中種を作ってあらかじめ発酵させることにより、発酵力を安定させる必要があります。

  • 縦割りアーモンドを薄く色づく程度にローストし、牛乳に10分間つけたあと、水分を切る。アーモンドの風味のついた牛乳(アーモンドミルク)は中種に使用する。
    (アーモンドのローストは写真ぐらいの薄めの色目が良いです。色が濃くなると出来上がったシュトレンのクラムの見た目が悪くなります)
  • 粉はグルテンの強い Weizenmehl der Type 550 (Brötchenmehl)を使用する。スイスの場合は、Zopfmehlを使用する。
  • アーモンドミルク、粉、イーストを大きめのボールに入れて、つるっとした表面になるまで10分弱捏ねる(生地温度は25℃)。

中種の一次発酵
  • 布巾などで 覆いをして室温(21℃)で、ふわ~っと膨らんでくるまで30分~45分おく。(写真は捏ね上げ直後と発酵後の様子です。参考にしてください。)
  • その間に、室温に戻したバター、砂糖、スパイス、塩を練り混ぜておく。
    スパイスの香気成分は油脂に溶け出すものも多く、粉と一緒に混ぜるよりもバターと一緒に練ることにより、香りを効率よく引き出します。

本生地づくり
  • ふんわり膨らんだ中種に、練ったバターと粉を加え、再び5分ほどしっかり捏ねる(生地温度は25℃)。
  • クラスト用に、捏ね上げた生地から約1/5の量(180g)を取り分け、作りたいシュトレンの数によって分割し、手のひらで押して平らにしておく。(350gの小さいシュトレンを4つ作る場合は45gずつ、700gの大きなシュトレンの場合は90gずつ)
  • 生地の緊張を取るため、このまま約20分のベンチタイムをとります。

フルーツとナッツを生地に混ぜる
  • あまり長く力を入れて捏ね過ぎると、フルーツが潰れて生地を汚してしまったり、それにより余分な水分が生地についてしまったり、生地が破けて成形しずらくなるので、気をつけてください。

成形
  • フルーツがよく混ざったらすぐに分割して丸め、細長くする。
そこへ取り置いておいた生地を薄く伸ばしたものでカバーする。こうすることにより、焼成中に表面に出たレーズンを焦がすことがなくなります。
  • ここで再び10分間おいて生地の緊張を取ります。

  • カバーの綴じ目の部分を上にして生地の中心を麺棒で伸ばす。その時、上下端部分は太めにする。太めの両端を重ねるように折り、焼成中に重ねた部分が開いてしまわないように、 重ねた両端部分の反対側を麺棒でぎゅーっと押す。
  • シートを敷き、2枚重ねた天板に並べ、成形後10~15分後にオーブンに入れられるように、上火・下火の設定で200℃に予熱しておく。

焼成
  • 下火で底が焦げやすいので、天板を二重にして焼成する。
  • 霧吹きで表面に水をかけてから、オーブンの下段に釜入れする。
  • 焼成途中で温度を下げ、最後に天板を中段へ移動させる。プロセスは以下のとおり。もちろん、それぞれのオーブンのクセなどがあるので、あくまでも目安です。

350gのシュトレン 焼成時間35分
200℃
15分 →
下段

180℃
10分 →
下段
180℃
10分
下から2段目

700gのシュトレン 焼成時間45分
200℃
15分 →
下段

180℃
15分 →
下段
180℃
15分
下から2段目


  • 焼成している間に、バターを溶かしておく。

仕上げ
  • 焼きあがったら、シュトレンの表面に飛び出して来て黒く焦げているレーズンを全部ナイフで取り除く。 食べる時に苦味の原因になるので、しっかり取り除くこと。

  • シュトレンがまだ温かいうちに、表面全体に溶かしバターをたっぷり塗り、グラニュー糖をまぶす。

翌日
  • 仕上げをしてから約12時間経ち、しっかり余熱が取れ、表面が少し固まったシュトレンに粉砂糖をふり、アルミホイルなど乾燥と光を遮断できるもので包む。

保存と賞味期限
  • シュトレンは、それぞれの材料の味や香り成分が引き出されて調和する、3~4日後からが食べ時です。
  • 今回作ったバター・シュトレンの賞味期限は1ヶ月です。バターが酸化すると不味くなりますので、冷暗所(地下室)での保存をおすすめします。冷蔵庫では保存しません(冷蔵庫の温度はでんぷんの老化を早めます)。
シュトレンは冷凍もできます。室温でゆっくり自然解凍してください。

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by deutschebaeckerin | 2018-11-01 14:24 | お菓子 | Comments(0)

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数回に分けて、シュトレン(シュトーレン)について書きます。
写真は2009年12月にドレスデンのシュトリーツェルマルクト(クリスマス市)に行った時に撮影したものです。
ドレスデンのシュトレンはこのように平べったい形をしています。

私のサイトでシュトレンレシピを公開したのはずっとずっと昔だったと思いますが(現在載せているものでさえ、改訂版ということで2003年と書いていますし)、基本的に分量に変更はありませんが、作り方に改良が加わっています。10年以上前に家でシュトレンの講習会をした時に配った資料も、このままお蔵入りさせてしまうのももったいないので、公開して、皆さんのお役に立てば嬉しいです。

今は肉まんと和菓子の製造と会社経営で忙しくて、特に11月12月のシュトレンシーズンは肉まん繁忙期と重なりますので、講習会をする余裕が出てくるとは今の時点では全く想像がつきませんが、夫からの期待がものすごく大きいこともあり、どんなに忙しくても毎年アドベント前には必ず一回はシュトレンを焼いています。レシピも作り方もしっかり詳細まで記録してあるので、そのとおりに作るといつも同じ美味しい私のシュトレンが出来上がります。2年前のこの記事にもそういう話を載せていますね。自分で言うのもなんですが、レシピが完璧だって。

忙しい11月の中で、どこでシュトレン焼きを入れるか、作る前には、面倒だと感じることもありますが、作り始めたら楽しいし、作り終わった時の満足感、第一アドベントのロウソクを灯して、家族とシュトレンを食べる午後の時間。やっぱり今年も作って良かったなぁ、としみじみ思います。うちの伝統として続けていきたいです。

まずは歴史について。
これは、シュトレンの本のために私が資料を読み漁って書き上げ、入稿したものを元にしてあります。

シュトレン(シュトーレン)の歴史

シュトレンが初めて歴史に登場するのは、1329年のナウムブルクです。ナウムブルクは、ドレスデンの135km西側に位置します。この年は、ヨーロッパでペストが大流行した直後で、日本では鎌倉幕府の時代にあたります。

ナウムブルクの司教ハインリッヒは、1329年に製パン職人のギルドを作ることを許可し、パン職人たちはその特権に感謝して、クリスマスの贈り物として「シュトレン」を2本献上した、という記録が残っています。

しかしながら、当時のシュトレンは現在のフルーツ、バター、砂糖がたっぷりのものとはまったく違って、水・燕麦・菜種油で捏ねられた、とっても素朴なものでした。というのも、当時のアドベント(クリスマス前の4週間)は肉はもちろん卵、乳製品の摂取が禁じられた節制期間だったからです。当時から現在まで変わっていないのはシュトレンの形で、これは幼児イエスがおくるみに包まれているのを模しています。

当時のこの素朴な材料から作られたシュトレンは、風味の抜けたような、あまり美味しいとは言えないものだったらしく、当然ながら貴族の間での人気は衰える一方でした。そんな中、ザクセンの選帝侯エルンストとアルブレヒト3世(勇敢公)の兄弟は、ローマ法王ニコラウス5世に手紙を書いて、シュトレン作りにバターの使用を許可してくれるようにお願いしました。1491年、当時のローマ法王であるインノケンティウス8世は、「バター書簡」として有名なお達しをドレスデン宛に出し、それによってシュトレンには油の代わりにバターの使用が認められました。「バター書簡」には次のように記されていました。

「あなたたちの領邦国家では、油の取れる実がなる木がなく、油が全然足りず、あっても高価なのに品質が悪くて臭いと聞きました。菜種油はあるそうですが、体に悪くあなたの民が病気になるそうですね。ここに、あなたの願いを受け入れ、法王の力によって、あなたたちとその妻たち、息子、娘、宮廷の使用人と兵士にバターの使用を許可します」

このように、節食期間の間、君主とその家族とそこに勤める者がバターを使用してよいと、つまり、狭義にとると、宮廷にシュトレンを納める職人だけがバターを使って良いと書かれており、それに違反した者からは罰金をとって、そのお金で教会施設の建設に使うようにと書かれていました。しかし、この「君主の周りだけ」という条件つきのバター書簡の内容は、すぐに広義にとられるようになり、シュトレン作りにバターが使われることが広まっていきました。

ドイツ最古のクリスマス市と言われるドレスデンのクリスマス市は、「シュトリーツェルマルクト」といいます。1500年頃に初めてシュトリーツェルマルクトでクリストブロートが一般民衆に売られ始めました。

1560年からは毎年クリスマスの時期、ザクセン州のパン職人たちは、選帝侯に18キロもあるシュトレンを1本か2本献上するようになりました。8人のマイスターと8人の職人がこのシュトレンをかかえて市街を通り城へ運びました。

ドレスデンの西35キロに位置するジーベンレーンという町は当時美味しいシュトレンで有名な町でした。ジーベンレーンのパン職人たちは近郊のマイセンやドレスデンへシュトレンを馬車いっぱいに積んで運んで行っては売るようになりました。そのうち、ドレスデンの市議会までもがジーベンレーンのシュトレンを注文するようになり、ドレスデンのパン職人たちの怒りは頂点に達してしまいました。彼らはジーベンレーンから来る馬車を城門の前で待ち伏せしては馬車をひっくり返し、なんと火まで点けて追っ払ったりしました。そんなドレスデンのシュトレン戦争は、1648年にやっと「シュトリーツェルマルクトで販売していいのは、ドレスデンのシュトレンだけ」という特権がドレスデンのパン職人たちに与えられたことで終焉しました。

ザクセン選帝侯として最も有名で、驚異的な怪力の持ち主であったことから「強健王」の異称で呼ばれるアウグスト2世は、芸術や建築を深く愛し、絶対主義の演出装置として豪華な宮殿を多く建設しました。そんな彼の行った1730年に軍事演習はヨーロッパ最大と言われ、2万人以上と言われた招待客のために、ドレスデンの製パンマイスター・ツァハリアスを筆頭に100人以上のパン職人が卵3600個、ミルク缶326 本分の牛乳、1トンの小麦粉を使って重さ1.8トン、長さ7メートル、幅3メートル、高さ30センチもある巨大シュトレンを作りました。
このシュトレンを焼くために、宮廷左官ポッペルマンに専用の巨大釜を作らせ、出来上がったシュトレンは8頭立ての馬車に乗せて市中を通って王の前まで運ばせ、1,6メートルの長さのナイフで切って24000個に切り分けてゲストに振舞われたということです。

この巨大シュトレンの材料に卵が入っている点、また6月に焼かれた点は現在のシュトレンとかなり様相が違うようですが、それでもバロック時代のシュトレンとして、現在のシュトレンの先祖と捉えられています。

いつ、どこでシュトレンに現在のようなドライフルーツがたっぷり入るようになったのかは、はっきりわかっていません。ドレスデンの北西75キロに位置するトルガウのパン職人ハインリッヒ・ドラスドが、シュトレンにドライフルーツやアーモンドを入れる方法を思いつたと言われたりしますが、噂どまりで実際のところははっきりしていません。しかしながら、シュトレンの原型ができた中世から近代に至るまでに、十字軍で遠征した騎士たちがペルシャや地中海で食べたレーズンを持ち帰ったのをきっかけに、ヨーロッパでのレーズンの巨大な需要が生まれ、16世紀にはドイツでもぶどう栽培が盛んに行われ、17世紀にはぶどうとレーズンはすでにヨーロッパ料理になくてはならないものになっていたそうですし、シュトレンと同じくクリスマスの時期に食べられる、レープクーヘンの16世紀のレシピに、交易路の発達とともにアーモンドやオレンジピールとレモンピールが加わるようになったようなので、シュトレンのレシピにも発達する交易の影響が入ったものと容易に想像できます。

19世紀中ごろに砂糖の工業生産が始まって庶民に広まりだした頃から表面に粉砂糖が振られるようになりました。

19世紀のクリスマスはまだ富裕層のみのものだったようです。大都市の貿易商の家だけが豪華な食事やプレゼントを楽しんでいました。ドレスデンのコンディトライ・クロイツマンの歴史によると、19世紀の終わりにはすでに「ドレスナー・シュトレン」を外国へ送っていたそうですので、高級品として専門店だけで作られるものだったのではないでしょうか。

20世紀になって人々の生活が豊かになって初めて、シュトレンは現在のようなリッチな配合と品質のものに完成し、家庭でも焼かれるようになったようです。

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by deutschebaeckerin | 2018-10-31 07:47 | お菓子 | Comments(2)

学校へ持参するマフィン

皆さんご存知のように、こちらでは、お誕生日の人が職場や学校にお菓子などを持参して振舞うことになっています。
もちろん義務ではないですけど、うちの子たちの場合、保育園時代から2年生まではほぼ義務みたいな感じでした。
というのも、先生の方から、「娘ちゃんのお菓子持参はいつにしましょうか?」みたいな感じで相談されてましたから。

娘によると、3年生になってそこら辺がちょっと変わってきて、先生はそういうことに一切関わらないし、自分が振舞いたければ振舞うというスタイルだそうです。
それでも、今までのところ、ほぼ全員が持ってきているようです。
娘と相談したら、レモン味のマフィンを持って行きたいというので、材料を一緒に確認して、足りないものは私が買っておきました。
そして、本人に自分で作ってみたいかと聞いたら、自分でやる!と言うので、そばにいてレシピを伝えたり、
ヘルプが必要だと本人が申請した時だけ手伝うというやり方で、見事、クリームチーズフロスティングで飾りつけしたマフィン23個完成しました。

さっと手伝ったら早いけど、あえて手伝わない。
あまりにも失敗しそうだったら声をかけて修正しますが、そうじゃなければ、何もアドバイスはしない。
なんでこうやるのか、みたいなプロだから知ってるっていうような理論を伝えたりもしません。
そういうのは、教える方の自己満足の押し付けで、言ったところで身につくことはないと思っています。
本人が知りたがった時が教え時。もしくは、本人が自分でひらめいた時が一番身につく時です。
そんな感じで作らせます。

出来上がったものも、上手にできたね!美味しそう!という感じで褒めるだけ。
8歳でこんなできてすごい!みたいな褒め方は絶対しないようにしています。変な自信をつけるだけ。
私も小学校3年で、近くのスーパーの福引であてたトースターを使ってクッキーぐらい作ってたので、そんなにすごくありません。

「作るっていうのは、片付けまで入れてなのよ!」と2単位作って疲れてる娘に無理にやらせることも嫌味も言いません。
「疲れたでしょ、片付けはママがしておくね」と言って、早めに寝かせました。
この一言で分かるでしょう、片付けも仕事なんだなって。

大事なのは、自分でやってみること。
できることは自分でできるように支援するのが親の役目かなと思っています。子育ての目標は自立ですから。
子供たちが小学生になって、どんぐりを知って、子育てはどんどんますます面白くなってきてます。






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by deutschebaeckerin | 2018-01-22 06:04 | お菓子 | Comments(0)

今年のシュトレン

12月21日の夜、やっと今年のシュトレンを焼きました!
一時期、シュトレンの作り方を教えていたことがあるので、その時のレシピと作り方を出してきてその通りやれば、何も考えなくても、間違いなくできる!
頭も体も疲れている時に、こういう準備があると本当に楽です。
一度作っておいて良かった~。
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同じように、コナ・キュッヘ(会社)のいろいろなこと、レシピだけじゃなく文章として表現しておくと、ブランクが空いた場合や誰かに教える時のストレスがすごく軽減されそう。

今日はチューリッヒのクリスマス市に今シーズン最後の配達をしたついでに、工房に寄って、大家さん一家にも一年のお礼としてプレゼントを渡してきました。

チューリッヒでも2件プレゼントをお渡しして、今年の営業終了!
チューリッヒ市内をあちこち車でまわるのは、ストレスフルなので、駐車しやすいところにおいてあとはトラムであっち行きこっち行き。


みちえって運転ちょ~苦手だったよね?って気づいてる、あなた!
はっはっは!
あんなに運転を怖がっていた私、いまだに新しいところは不安いっぱいですが、自分の会社となると、怖い!なんて言っていてはしょうがないですからね。

今ではチューリッヒにも、ダボスにも、バーゼルにもベルンにも、はたまたゴッタルド・トンネル通ってイタリア語圏までも、一人で行っちゃえるようになったんですよ~。
でも、やっぱりトラムががんがん走ってるチューリッヒが一番怖い・・・・。
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by deutschebaeckerin | 2016-12-23 01:29 | お菓子 | Comments(5)

森さん発見!!

きゃ~~~!昨夜はびっくりしました!
ベルリン時代のお友達で、連絡が途絶えてしまっていた森さんをネットで発見!!
今までも何度か検索してみたりしていたのだけど、昨夜はどんぴしゃ!でヒット!!!
京都に戻ってバウムクーヘンのお店をされているそうです。
「お問い合わせ」ってとこにメールを書いたら、
「ひゃ~~~!みちえちゃん!!!!めっちゃ嬉しいやん!!」って即効返事がきました。

ズーセス ヴェゲトゥス


なんだか今年は1月からついてることだらけ。
パンの道が私を呼んでるのかしらってぐらい。
久々にヴァインハイム(ドイツの国立製パン学校)の翻訳もさせてもらって、B&Cの連載も始まりました。

来月母が日本から来るので、森さんのバウムクーヘンを持ってきてもらいます。
懐かしいわぁ~。




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関係ないけど、ゆーくん1歳の一升餅の写真など。(どっかで見せびらかしてみたかったの)
いーたんにはスイスの旅館「うさぎ山」さんのお座敷でお食い初めしたのだけど、
ゆーくんのお食い初めはうさぎ山さんの冬季休暇と重なり、
それじゃ一週間後の日本帰省の時に日本で・・・・と思っていたら震災と原発でキャンセル。
何もしてやれなかったので、1歳の誕生日は一升餅を作りました!
字まで入れちゃって、我ながら素晴らしい出来。ちなみにゆーくんのセカンドネームは「あきら」なのです。
これをリュックに入れて背負わせてハイハイさせました。
転ばなければわざと転ばすんだとかダンナが職場で話したら、「幼児虐待!」と語り継がれているそうです。
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by deutschebaeckerin | 2012-01-30 20:00 | お菓子 | Comments(2)

クーヘンクラブ

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夫の会社にはクーヘン・クラブなるものがあって、毎週金曜日は、部署の片隅のコーヒーコーナーで自作ケーキでコーヒータイムをすることになってるそうです。

「皆で持ち寄り」ではなく、毎週誰かが担当になって、全員の分のケーキを焼いて(買ってもいいけど量多いし高いよ)もって来るそうです。夫はミーティングが多いため、ほとんど参加することはないのだそうですが、部署にいる以上、一年に最低一回はケーキを持ってこないといけないとか。先日もコーヒーコーナーを通りかかっただけで、呼び止められ、「まだカレンダーに名前書き込んでないでしょ?早くもって来る日決めてね!」と言われたとか・・・・(笑)。

そういうわけで、先週の金曜日に夫が担当になることになりました。
っていうか、夫は運ぶだけで、私が焼くんだけど。
皆さん、だいたいパウンドケーキが多いそうなのですが、私は根が生地捏ね得意なパン職人なので、イースト生地のケーキの方が簡単だし好きなんです。それに、スイスではイーストの天板ケーキはほとんど知られていなくて、まぁ、珍しくていいかな、とも思いますし、ドイツ人の同僚の受けがとてもよさそうなので、「りんごのシュトロイゼルケーキ」と「ビーネンシュティッヒ」を作りました。

うちにある、35cm×40cmの天板2枚。職場ではもっと大きな天板で時々作りますけど、狭い家のキッチンで作る量としては珍しく多いし、使う材料も家庭用のバター(250g入り)が3個以上必要だったり、うわ~量多いわ~なんて思ってしまいました。職場だとバターも1キロブロックを使うので、量の感覚が別だったりするんですよね。ま、今の職場はキッチンなので、バターも1キロブロックですが、パン工房ではバターは12,5キロが1単位でダンボールに入っていたりするので、キッチンで働き始めた時には、「わ!小さい」なんて思ったりもしたものです、多い少ないなんて、人の主観は時と場合でこんなに変わるものなんですね。

さて、ケーキはおいしく出来ました。職場でも好評で、一つも残らずに天板だけ家に戻ってきました。一切れずつ自分用に取っておいて良かった~。
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by deutschebaeckerin | 2010-02-27 19:45 | お菓子 | Comments(24)

テーゲベック

ダンナが会社に持っていくからってことで、テーゲベックを沢山焼きました。
沢山と言っても、サイトに載せているレシピ1単位だけですけどね。

ココアの2色クッキー
抹茶の2色クッキー
ハイデザント
ビターチョコ&ローストアーモンド入り
ドレンチェリー入り
レモン風味
シナモン&あられ糖
シュピッツブーベン

缶に詰めてみると、意外と少ないもんですねぇ。
面倒かと思っていましたが、楽しくすぐにできてしまいました。
もうすぐアドベントも始まりますし、また作ろうと思います。

・・・実はこの日記、最初はかなり長かったのです。
写真を拾う時にブラウザが落ち、書いたものがぜーんぶ消えてしまいました。がーん。
書き直す気もすっかり失せたので、今回も短くて失礼しまーす。
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by deutschebaeckerin | 2008-11-23 18:57 | お菓子

ダンプフヌーデルン

こちらはまたまた連休でございます。
先週はソロプチミストの会合が連続であって、ちょっとクタクタでした。
ということで、ウォーキングしたり水泳したりする以外は、たまった家事をのんびり片付けるだけの連休となっております。

ソロプチミストというのは、世界中にある団体で、「実業界で活躍する女性、専門職に従事する女性の国際ボランティア奉仕組織」ということで、女性版ロータリークラブとかライオンズクラブみたいなものです。お義父さんはロータリー、叔母さんはソロプチミストのドイツおよびポルトガルで大活躍の女性・・・ということで、私も誘われました。で、何度か会合に参加して、晴れて来月入会になるようです。が、がんばりまーす。・・・まず、スイス語・・・ちょっと真面目に勉強しないと、言ってること全部聞き取れまセン!(涙)

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ところで、写真は職場のシェフ作ダンプフヌーデルン。私は蓋つきフライパン(か鍋)で作るのですが、シェフのはオーブンで仕上げるタイプ。これは学校の生徒さんの夕食(おやつみたいな夕食ですけど)になるものなんですけど、私も食べたい!!と言ったら、うち用にグラタン皿に用意してくれました。ソースやカスタードクリームも袋に入れて密閉してもらったので、私も夕食の準備な~し!!で楽チンでした。

もらってきてそのままだと過発酵しそうだったので冷蔵庫に入れて置いて、もらってきたソースをかけて140℃(熱風)のオーブンで45分。カスタードソースを温めて、前日作っておいたルバーブのコンポートも添えていただきました。温かい柔らかい菓子パンという感じでとっても美味しかったです。
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by deutschebaeckerin | 2008-05-12 05:20 | お菓子 | Comments(3)