2007年 07月 02日
天然酵母 ④
やっと堆積が2倍になりました。
よかった、やっぱりイーストは生きていたんですね。
「サクランボ+蜂蜜酵母」ちゃんの時には12時間で達成できたこととはいえ、とりあえず、当たり前ですがイーストも天然酵母も原理は同じということはお分かりいただけると思います。
それに、「サクランボ+蜂蜜酵母」ちゃんの場合は粉を混ぜるまでに2日以上、つまり50時間以上は、水の中で増殖させる作業をさせましたし、もともとの酵母量の比較は不可能なので、天然酵母の方が強いわではありませんので。
さて、私は今回のイースト溶液には蜂蜜ではなく、砂糖を入れました。これは、蜂蜜自体が水に溶かした場合に発酵し易いものなので(Met、蜂蜜酒があるように)、天然酵母との比較をするにあたって、使わない方が良いだろうと判断したからでした。しかし、今回イースト溶液の様子を見ていて、二糖類である砂糖ではなく、ブドウ糖(単糖類)を混ぜてあげた方が、すぐにエサとして取り込むことができてよかったのではないかと思いました。ご存知のように、ショ糖(砂糖)はブドウ糖と果糖から構成されています。酵母はこれをエサとして体に取り込む前に、インベルターゼという酵素によって、ブドウ糖と果糖という単糖に分解する作業をします。蜂蜜は、ショ糖を酸かインベルターゼによってブドウ糖と果糖に加水分解した転化糖なので、酵母にとってすぐにエサにできる単糖の混ざったものでもあったのです。
まとめてみると、
砂糖(ショ糖、スクロース、二糖類) = ブドウ糖(単糖) + 果糖(単糖)
蜂蜜(転化糖) = ブドウ糖(単糖)と果糖(単糖)がまざった液体
ブドウ糖 = 単糖
酵母は人間と同じように単糖に分解してからしか栄養を吸収できない。
一番早く沢山泡(二酸化炭素)を発生させたのは、蜂蜜入り。わずかに後だったのが、ブドウ糖溶液でした。そして、少し時間を遅らせて、砂糖入りという順番。砂糖入りは少し遅いものの、最終的にすべてのグラスの泡の量はほぼ同じになりました。もちろん、ペースの速かった蜂蜜入りが一番最初に過発酵になってしぼんでしまい、次がブドウ糖入り、そして最後が砂糖入りという順番でした。
酵母がエサにしやすい糖類の状態を知っておくとよいですね。例えば私のバックフェルメントのパン生地に蜂蜜を入れているのは、発酵を促進させるため、つまり、あまりゆっくり発酵させていると、乳酸菌によってパンが酸っぱくなってしまうので、それを防ぐためだということがお分かりいただけると思います。また、ブドウ糖は普通はパンの材料には使いませんが、麦芽糖(モルト)はよく使用されますよね。麦芽糖は二糖類でブドウ糖2つから構成されていますので、酵母は自分の酵素で分解してブドウ糖にしてから吸収する、もしくは、アミラーゼ活性の強いものなので、でんぷんを分解し続けてくれる、つまりゆっくりと長い間栄養がパン生地に存在することになるので最適なのです。
材料に糖類の入らないパンの場合、もしくはサワー種の中の酵母はどうやって栄養を得ているのかというと、もちろん、粉にもともとついているアミラーゼという消化酵素が水に触れることによって活発になって、粉のでんぷんを麦芽糖に分解しますので、そこからは酵母の酵素がブドウ糖に分解して吸収するという仕組みになっています。ちなみに、単糖とはいっても、ガラクトースはパン用酵母の栄養吸収には向いていません。
私は最近栄養士の勉強を始めたのですが、食品学と実生活が結びつかず興味を持てずにいました。今日、ここを見てすごく参考になり感動しています。
というのも、先週初めて起こしたいちご酵母でパンを焼き失敗したからです。チーズのような風味で石のように固いものができました。。
次回は蜂蜜を入れて発酵を促進させようと思うのですが、少し疑問があります。
蜂蜜は「グルコースとフルクトースが混ざった液体」だから、グルコースとフルクトースが結合しただけの砂糖よりは発酵が促進されやすいということで、私の理解は間違っていませんか?
転化糖は何か関係がありますか?
蜂蜜は砂糖より糖度が低いと思いますが、「酵母がエサにしやすい糖類の状態」を考えるということが参考になりました。
これから食品学にも興味が持てそうです。
失礼しました。これからも楽しみにしています★
蜂蜜は単糖類のグルコースとフルクトースが混ざったもので、これ以上消化をされる必要がないから、吸収されやすいんです。
蜂蜜の主成分は転化糖ということです。
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