2018年 12月 12日
パン修業が始まりました 「職業訓練校」
パン修業が始まりました。
仕事から帰って夫に、「マイスターがはじめの言葉とかなんか言ってくれた?」と聞かれましたが、
うちのマイスターに限ってそんなたいそうな事、言うわけないじゃない。
もちろん、試用の時と全くおなじ 「グーテン・モルゲン」で始まって、仕事も全く同じでした。
ジェンディスより少し早めに上がらせてくれるから、どうしたのかと思ったら、
マイスター : 「今から学校に申し込みに行って。さっき、学校に電話しておいたから。」
出た!!
突然、あっさり言うんだから。
ということで、私は学校へ申し込みに行きました。
職業訓練校っていう表現でいいのかわかりませんが、パン職人をはじめ、お肉屋さんや電気技師など職人を目指す人の通う学校です。
セクレタリーの人が忙しそうだったので、待ってる間に掲示板などを見てると、
去年のクリスマスの前にケーキ作りのコンテストをやってる写真がありました。
とっても楽しそう。でも、さすが職人のたまごの学校、
写真の横には「見た目、味、準備の手際良さ」といった採点項目と得点がしっかり書かれておりました。
それにしても、みんな若そうだ~。私も10年ぶりに女子高生になるのだね。
なじめるのかちょっと心配ですが、私の入るのはもちろんパン職人を目指すクラス。
来週から、毎週月曜日朝8時から午後3時まで、四つの授業を受けることになりました。
1999年9月6日(月)
学校初日!
クラスは25人くらいで、女の子は私を含めて4人だけ。
授業はもちろんドイツ語で、その上みんなベルリン語で早口。
言ってること全ては理解できなかったけど、内容的には簡単でした。
穀物の種類や、粉にする方法と品質の見分け方といった、技術の授業が2時間。
粉に対する水の分量を計算したりする、専門の計算の授業が一時間。
これは小学生の算数程度、日本人には誰でも楽勝だと思います。
政治の授業が一時間でした。
クラスには一人いる!というタイプの、先生に生意気言うおどけたタイプの男の子が面白かった。
授業中、平気で寝てる子はいるし、高校だな~って感じです。
みんなモチベーション不足。
先生も疲れ気味。
今日は近くの席の子とちょっとしゃべっただけでした。
まだまだみんな慣れてない環境ということもあり、全員お互いによそよそしい感じでした。
クラス分けがされて、一クラス15人くらいになりました。
女は私のほかにヤニーナという17歳の子が一人だけ。
ヤニーナと一緒にお昼を食べたら、真剣な顔つきで、
「日曜の夜、とっても憂鬱になる・・・・だって男の子ばっかりなんだもん・・・・」となかなかかわいい事を言っていました。
私は、先生が言ってることが全部分かるわけじゃないから、授業についていけるのか憂鬱になるよ・・・・。
技術の授業は、なんだか難しくなりました。ちょっと化学みたいな・・・
粉を練る過程で、何がどうなってるのかとか・・・・化学式で表して、何がくっついて・・・・とかそんなやつ!!
チョー文系の私には、ちょっと手強いぞ。これは、予習復習をせねば。
ヤニーナが働いているのは、大手チェーンのカンプス!
彼女は、マイスターの資格を持つ人を含め同僚50人と一緒にベルトコンベアのある大きな工場で働いているそうです。
まだ17歳なので、朝の仕事しか今はしてないけど、18歳になったら夜中のシフトもこなさないといけない・・・と言っていました。
彼女は今のところ、パンは全然作らず、天板ケーキを中心に仕事をしているということでした。
ところで、私はマイスターの小さなパン屋に弟子入りして本当に良かった、と今思っています。
私達のところでは、大型チェーンにはかなわないくらいたくさんの種類の商品を作っています。
先生が、「けしの実のペーストを作るとき、けしの実をひくでしょう・・・・」と話を進めようとしたら、
「もうひいてあるけしの実の袋を開けるんだよ。」と発言している男の子もいました。
私達のところでは、大型チェーンに較べると結構手作業が多いんだな、と思いました。
機械がダメ、手作りが一番!と私は思っているのではなく、いろんな工程を経験できることができて幸せだと思っています。
ヤニーナも工場でも掃除はい~っぱいさせられるそうです。これはどこでも同じらしい。私だけじゃないんだ!
それに、彼女のところのマイスターも無口なんだって!うちのマイスターだけじゃないんだ!!
な~んてホッとしたのが一番かな。