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スイスで肉まん屋 工房探し

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2013年に独立しようと決めて、肉まんの製造会社を起こすことに決めたわけですが、さて、一番の難関はどこで作るのか、その場所探しでした。

まず最初は、以前働いていた学校の校長と(肉まんに合うソースを発明した?!)上司のシュテファンの了解を得て、広い業務用キッチンを午後のちょうど誰も使わない時間に使わせてもらったり、ホテルを経営している友人にお願いして、こちらも夜中に使用させてもらったりしていました。

しかし、どちらも使える時間が限られているので、結局家で材料を切ったり、またその材料を車に積んで、下ろして、作業して、掃除して・・・出来上がったものをまた車で運んで・・・・とやっていると、実際に作る時間よりそれ以外の時間が圧倒的に多くなってしまいますし、学校もホテルも「お金は要らないよ」って言ってくれるのですが、ありがたい反面、絶対にご迷惑をおかけしてはいけない!とこちらも自由には使えないというジレンマがありました。

何よりこれは暫定的なやり方であって、とにかく工房を見つけなければ、と当時はすごく焦っていました。今考えれば、お客さんはお友達や知り合いばかりで、今とは比較にならないぐらい趣味に毛が生えた程度の製造量だったので、そんなにストレスを抱える必要はなかったんでは、と思いますが、こればっかりは無我夢中の時には分かりませんよね。

もちろん、資金が潤沢であれば、キッチンを借りることはできます。ただし、キッチンという賃貸物件はありませんので、まずは製造などができるスペースを借りて、工事してキッチンにする必要があるのです。しかし、これも実際は簡単ではありません。というのは、まず第一に私が住むツーク州というのは、税金が安くてタックスヘイブンでも有名で、州の大きさの割りには会社が沢山あります。人に貸すことのできる物件を持っている人は、できれば音もにおいもしないオフィスとして使って欲しい場合が多いのです。ですので、そもそも製造業に向いた物件というもの自体がほとんど賃貸情報として出ていません。

二番目の難関というのは、製造業等の物件というのは、打ちっぱなしの何もない状態で貸し出されます。すでにタイルが張ってあって床を水で掃除できるような居抜き物件というもの自体がないのです。つまり、キッチンとして使ってから出て行く場合はまた打ちっぱなしの状態に戻して返すことになっているのです。だいたいの物件は最低5年契約になっていますから、この初期工事、そして出て行く時の工事の費用、これを60ヶ月で割ったものを賃貸料に上乗せして出てくるのが月々の固定費になります。それでも、例えば、私に家族がいなくて、やりたいことのために5年間必死で働くのなら払うことができるかもしれないですが、私の場合は家族もいて、小さい子供も2人いて、毎日働くこと自体が無理ですし、何より子供たちの成長を見守り、育てること、子供達にとってもお母さんがいることが大事なので、そこまでがむしゃらには出来ないのです。

そんなある日、私はふと、干ししいたけを私に売ってくれているキノコ農家さんのウェブサイトをみつけて見ていました。

まずこの農家さんから干ししいたけを購入するに至ったいきさつをお話します。

肉まんの材料には、うま味成分の含まれる干ししいたけを絶対使いたかった私ですが、スイスで一般に売られている干ししいたけは中国産なんです。一方、野菜売り場には生のしいたけが売られていますので、スイスでもしいたけの栽培がされていることは分かっていました。そこで、しいたけ農家さんに電話をして、どうせ刻んでしまうので、形や見た目はどうでもよくて、割れたものなどで結構なので、干ししいたけを作ってもらえないかとお願いしたのです。

そうしましたら、あるキノコ農家さんが乾燥機を持っているから、彼に相談してみてくれると。そして、しばらくして、折り返し電話がかかってきて、大丈夫そうだからあとは直接彼に電話して注文出してね。と言われました。そういうわけで、私はスイス産有機干ししいたけを彼から購入するようになりました。

あとで分かったことですが、キノコ農家さんというのは、私のイメージではいろんな種類のキノコを栽培しているのかと思っていましたが、実際は基本的には一種類だけを栽培するのだそうです。それは、菌を扱う農業なので、いろいろ混じると栽培がうまくいかなかったりするからだそうです。しかしながら、スーパーや流通業者はキノコといえば色んな種類が欲しいですよね、そういうわけで、キノコ農家さん達は週に1度か2度、出荷アイテムに幅が出るようにお互い行き来するそうです。そういうわけで、私が購入している干ししいたけの生しいたけは最初に電話した農家さんが出してくれて、乾燥作業はこの農家さんがしてくれていたのです。

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さて、ある時この干ししいたけを売ってくれている農家さん、キノコ以外に何作ってるのかな?と思ってウェブサイトを見ていたら、本当に心臓が止まりそうなぐらいビックリしました。というのは、そこには、有機の材料を使ったお料理のケータリングも時々やっていて業務用キッチンを持っていて、そのキッチンを日割りで貸していると書いてあったからです!!

さっそく農家さんに電話をしてみると、向こうも「ああ、あの干ししいたけを注文してくる人」という感じで気さくに応対してくれて、「いつでもいいから一度キッチンを見においで」と言ってくれました。そして、その日の午後すぐに行ってみることにして、これまたビックリ!というのも、チューリッヒ州とはいえ、私の住むツーク州との境界にあって高速道路に乗ってしまうと、本当に近くて便利だったのです。

そしてそして、到着してキッチンに入ってまたまたビックリ!嬉しさのあまり飛び上がりそうになったのは、ラショナルのコンビスチーマーがあったこと。肉まんを蒸すのにスチーマーは必須なんですけど、シュテファンのキッチンでもホテルのレストランでもいろいろコンビスチーマーはありますが、中でも私のお気に入りがラショナル製だったのです。それが、そのキッチンにもありました!!ずっとずっと探していた工房がみつかって、ラショナルのスチーマーもあって、あっという間に使えるようになって、本当に感謝感謝の一日でした。

あれ以来もう5年、農家さんには本当にずっとお世話になっています。感謝以外の言葉がみつからないぐらい良くしてもらっているので、私もご迷惑をおかけしないように細心の注意を払ってキッチンを使わせてもらっています。

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by deutschebaeckerin | 2018-11-20 17:23 | コナ・キュッヘ | Comments(0)