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また雪が降りました

Facebook に投稿した、動画です。

昨日も雪が降り、子供たちはマンションの敷地内の傾斜で2時間遊びましたが、信じられないことに、他の子たちは全然出てきませんでした。ここは4棟のマンションに合計100世帯以上が住んでて子供を持つ家庭も沢山あるのに。スイスでも、みんなテレビ、iPad、ゲームなのかしら。

とにかく、スイス人のお母さん達もよく言ってます。今の子はすごく出不精だって。

友達が一緒の方が外遊びは楽しいし、うちが率先して出て、そのうち、どんぐり問題も広めるぞ~!

Facebook のスイスどんぐり倶楽部もよろしくお願いします。
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by deutschebaeckerin | 2017-01-11 23:14 | スイスの生活 | Comments(0)

言葉のトリガー理論

「言葉はイメージを導くための引き金(トリガー)である」というのが「言葉のトリガー理論」です。私達の頭の中にあるのは言葉ではなくイメージだということです。

§言葉が分かるとはどういうことか
 よく私達は「言葉で考えている」と言いますが、正確には「言葉をきっかけにしてイメージで考えている」のです。実は、私達は言葉そのもので考えているわけではないのです。このことを知らずに教育を語ることは鳥が翼を広げずに大空に飛び出すようなもので、非常に危険なことです。そして、しばしば悲惨な結果をもたらします。

以上 「言葉のトリガー理論」より抜粋


「ドイツ語と日本語が話せることは、別にすごいことじゃない」

娘の通う現地校は、1年生と2年生が合同で授業を受けていて、クラスは全部で20人。

クリスマスの時、先生が家庭で皆が話してる言語で「メリークリスマス!」って書いたカードを作ろうと言って、作り出してみたら、生徒達が家庭で話してる言語は16ヶ国語でした。

思い出すままに(順番に意味や理由はありません)
1.ドイツ語
2.スイスドイツ語
3.フランス語
4.英語
5.日本語
6.イタリア語
7.スウェーデン語
8.デンマーク語
9.ハンガリー語
10.ロシア語
11.ギリシャ語
12.トルコ語
13.オランダ語
14.マケドニア語
15.ルーマニア語
16.ペルシア語

そういうわけで、娘が日本語を話せることは、別に「すごい!」って話ではないんです。

日本語学校の保護者たちが「現地校の勉強が難しくなる前に」っていうキーワードを使って「日本語の読み書きをしっかり!」みたいなことを言います。

私もそれを信じてました。

でも、どんぐりを知って勉強してると、すごく疑問を持ちます。
「何をその前に詰め込むつもり?」

そんなことより、日本語の「どんぐり問題」を使って、現地校の勉強にも応用できる「思考力(視考力)」を楽しく養成した方が良くない?日本語でこんないい教材がすでにあるっていうのは、日本語がわかる私達の子供にとって、とってもラッキーなことなんだよ!

日本語能力試験N2級合格が目標!とかいう話を聞いたりもしますが、大人になってから趣味で日本語を始めた、うちの夫をはじめ外国人の旦那さんたちもN2級持ってますから。漢字を書く国の人が有利にならないように試験では漢字は書かされません。

子供達は小さい時から日本語を聞いて話してる分、とっても有利。無理に勉強させて日本語自体を嫌いにさせないようにするほうがずっと大事な気がします。
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by deutschebaeckerin | 2017-01-10 05:42 | どんぐり倶楽部 | Comments(0)

ランチ当番

ふ~、今日は新年初のランチ当番。無事終わりました。
今日は夫も在宅仕事だったので、子供6人大人2人のランチを作りました。

スイスの学校は給食はありません。
そして、お弁当も持っていきません。
ということで、お昼は子供達はおうちに帰ってきまーす。

お仕事持ってるお母さんはどうするの?
はい、とっても困ります。
Mittagstisch(ミッタークスティッシュ = Lunch Table)というお昼を用意してくれる
学校関連の公共施設もありますが、人数に限りがあり、うちは週1日しか当たりませんでした。

そういうわけで、例えば普通のオフィス勤務の人であれば、
週4日働く80%にしてもう一日を在宅にするとか、
(夫婦でそうやったら、とりあえず4日は押さえられます)
親戚に頼むとか、ベビーシッターを雇うとか、はたまた
うちみたいに、同じ悩みのお母さん4人で当番を決めてランチ当番を回したりします。
うちは、週1日はMittagstisch、もう1日はランチ当番で誰かが受け持つ、残り3日はもちろん自分で自分の子どもたちとお昼ご飯です。
こういうこともあって、自営という道を選びました。私の親も夫の親も外国ですから、頼れる親戚は近くにいませんし。

このランチ当番、娘が幼稚園に入園と同時に3人の女の子たちのためにはじめたのが、
うちの息子など下の子も入ってきて、今は3-4週間に1回の頻度で6人がご飯を食べに来ます。

日本の子もそうかわかりませんが、こっちの子って、いろいろ混ぜるのを嫌がりますよね。
栄養のバランス考えて~・・・って作ったところで、嫌なものが混じってるととたんに食べなくなったり。
私も経験をつみ、今ではなんでも別々にして出してます。
具、ソース、パスタ、全部最初から分けとく!
「好みに応じて自分で混ぜて食べて~」って具合に。

それと、ずいぶん皆、なんでも食べるようにはなってきたものの、お母さんの味が一番みたい。
シンプルなものでも、お母さんの味とちょっと違うと、食の進みが遅くなります。
なので、野菜も正直、いろいろ手を加えるより生野菜をただ洗っただけ、切っただけを出した方が食べる。

f0141507_21574446.jpg今日のメニューはチキンカツ、生野菜いろいろ、マッシュルームのソテー、ご飯。
(正確にいうと、七面鳥肉ですが・・・だから写真のお肉大きいのです)
デザートは昨日作っておいたりんごケーキとみかん。

11時ごろから準備開始。
肉叩きで、トントントントンいっぱい叩いて大きくして、
塩・こしょう・茶漉しで小麦粉ふって、
卵は刷毛で塗ります。(18枚も作ったのに使用量たったの1個!)
パン粉に油をまぜたものをくっつけて、200度のオーブン(熱風)で7分+裏返して5分。
18枚も焼きました。

子供達も成長して食べる量も増えたので、残ったのは3枚だけ。
おくちに合ったようで、よく食べてくれました。よかった!

(写真は左が焼きあがったもの、右側の天板の上のは焼く前です)
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by deutschebaeckerin | 2017-01-09 21:58 | スイスの生活 | Comments(0)

家族の時間と心のこもった日本語

昨日は、糸山先生の以下の記事を読んではっとさせられました。

うちの年長さんの息子、どんぐり問題はまだちゃんと始めておりませんが(気が向いた時だけ参加)、私がどんぐりを実践しはじめて、日本語学校はもう辞めるよ~って決めた頃から、家庭で今までよりずっと日本語を自主的に話すようになりました。

どんぐりをはじめて、私はこども達の様子をもっとじっくり見るようになりました。
じっくり、ゆっくり、丁寧に生活することを心がけるようになりました。

私が余計なストレスを与えていたのだろうと思います。今までの自分を反省してます。

http://reonreon.com/simple.html

<実践サンプル>:早期教育・幼児教育の害→一言で見抜ける確かな方法→自分で感じる

※まず、自分の心に起こる様々な変化を感じるために心を落ち着けます。そして、自分がどれだけの情報をだして、子どもがどれだけの情報を受け取っているのかを考えながら(感じながら)次の言葉をいいます。

※子どもの手を握り心を込めて、子どもの目を見ながら「暖かいね」と一言。
→どれだけの情報(感情や雰囲気や思いも含めた言葉では言い表せないこと全て)が伝わりましたか?これが体験的学習です。

※カードを見せて文字を指しながら「ヘリコプター」と一言。
→どれだけの情報が伝わりましたか?これが知的学習です。

※どうですか?あなたの心や感情は何を伝え何を受け取りましたか?子どもは感受性が高いのですから、今あなたが感じたことを何十倍も激しく感じているのです。どうですか?これでも続けますか?何が豊かな学習で何が貧弱な学習なのか、どうして体験的学習が良くて知的学習が悪いのか自分の心に聞いてみてください。
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by deutschebaeckerin | 2017-01-08 16:22 | どんぐり倶楽部 | Comments(0)

ドイツの製パンマイスター試験 1-2部

ドイツのマイスター試験は内容によって4部門に分けられます。第1部は実技、第2部は筆記、第3部は経理経営、第4部は教育論です。

第1部の実技は、十八時間つまり3日間かけて行われます。

最終的に作ったものを自分用のショーウィンドウに飾るので、テーマを決めてそれに合った見た目や内容のものを作ります。私はテーマに「スイスの建国記念日」を選びました。

作品イコール製品ということで、製品情報をまとめたレポートも事前に提出を求められます。レポートは、製品の紹介文やレシピの他、原材料費+人件費+税金と詳しく計算して導き出された価格、栄養価を書き、写真付きでカラー印刷してオフィス用薄型バインダーにきれいにまとめて提出します。

実技試験内容:

スペシャルブレッド(粉総量5キロ、サワー種使用)
小型パン4種類以上(粉総量5キロ)
スウィーツ3種各10個以上
文字入れしマジパンなどで飾りつけをしたデコレーションケーキ
ライ麦パン(粉総量5キロ、サワー種使用)
小麦パン(粉総量5キロ)
カイザーゼンメル等日常食する小型パン3種以上(粉総量3キロ)
デニッシュ4種各10個
パイ製品4種各10個
菓子やスナックの分野から2種(1種は自分で決められるが、もう1種は試験当日に試験官から指示されたもの)

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サワー種はもちろん自分で熟成させます。9人が同時に試験を受けるので、3台のデッキオーブンをどう使うのか、必要な焼成温度や時間について事前に話しあって場所と時間をキープしておく必要がありますが、皆で大体同じ流れで作ることにしておけば、大きな問題にはなりません。

私はスペシャルブレッドに、スイスのグラウビュンデン州で食べられる蕎麦粉を使った郷土料理ピッツォッケリというパスタをヒントに、炊いた蕎麦の実を加えたパンを作り、スイス国旗のようにハサミで表面に十字の模様が出るように切れ目も入れました。

小型パンにはスペルト小麦をいろんな形で入れたパン(グリューンケルンという、麦がまだ青い時期に収穫して焙り、乾燥させたものを粗びきして炊いたものを加え、スペルト小麦バックフェルメントで発酵)を作り、ライ麦パンも発芽ライ麦粒を炊いたものを加えたライ麦100%パンを作りました。

このように、せっかくのマイスター試験ですし、私は日本人的に内容に凝ってみましたが、ライ麦パンであれば、試験規定ギリギリにライ麦60%ぐらいで既存のレシピのまま無難にこなすのもありです。もちろん、作るものの難易度や工夫も採点に大きく寄与しますが、とにかくマイスターのお免状だけが必要な要領のいい跡継ぎ君たちは無難路線でサクサクと準備も当日の試験もこなしていました。

実技試験には販売も入ります。ヴァインハイムでは販売員向けのセミナーも開催されているので、校舎の一部に練習用のパン屋の売り場が常設されているのです。そこで試験官を相手にパンやケーキの説明をしたり、お祝いケーキやケータリングの注文を受けたり、包装をしたりします。

第二部は、製パンについての筆記試験です。

まず、朝8時から100分間専門計算の試験から始まります。例えば、牛乳を使うレシピをスキムミルクで代替する場合に分量がどう変わるか、サワー種熟成の際の粉と水の量、目標どおりの捏ね上げ温度を達成するために水温を何度にすればよいか、クッキー詰め合わせを作る時にどの種類を何グラムずつ詰めたら売りたい価格のものができるかといった感じです。ドイツ語が理解できれば中学校程度の方程式で全部解けますからご安心を。

10分の休憩の後、第二部で一番重要な100分間の製パン理論の筆記試験があります。これを落とすと、例え他の教科で合格点に達していたとしても翌年マイスター試験のやり直しをさせられます。

栄養、サワー種とライ麦パン、小麦小型パン、焼成過程、菓子生地といった5つのテーマにそってそれぞれ3問文章問題が続きます。例えば、「ライ麦パンにサワー種を可能な限り最大の割合で入れたのに風味が少なく、パン自体の老化も早いです。使用したライ麦粉のタイプは997でフォーリングナンバーは260でした。このパンの失敗の理由と救済策を述べなさい。」さっさと読んでどんどん進めないと時間が足りなくなってしまいます。

その後さらに10分休憩の後、50分間の原材料についての試験があります。穀物について種類や栄養構成について簡単なものなら職人試験でもやりましたが、マイスター試験ではでんぷんの構成や粉の科学に関する設問も入ってきます。他には砂糖やチョコレートの生成過程に関する質問などです。

ここでやっとお昼休みがはいり、午後は、マーケティングの筆記試験が60分あります。パン業界に関連する新聞記事を読んで意見を述べたり、「十一月におすすめとして売りたい商品を決めて、どのように宣伝活動をしたいか述べなさい」「その商品のためのチラシのレイアウトをしなさい」「販売員のためにその商品の製品情報をリストアップしなさい」というような問題が10問出ます。

最後は原価計算や販売価格計算の試験が70分あってマイスター試験第二部は終了です。途中休憩をはさみながら朝8時から午後4時まで丸一日がかり、とっても疲れました。
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by deutschebaeckerin | 2017-01-07 15:59 | パン | Comments(0)

こどもの力を信じる

クリスマス休暇も終わり、昨日から新学期がスタートしました。
私の方も休暇前はすごい仕事量でしたが、休暇中はのんびり。子供たちと沢山遊びました。

独立または自営はドイツ語でSelbstständigといいますが、自分の足で立ってるっていう意味なのでしょうけど、実際の仕事は「selbst 自分で」「ständig 常に」という方がしっくりくるというか、自分がやらなきゃ誰がやる?の世界。でも、自分でいろいろ決められるという利点があって、計画をきちんとすれば、こうやって子供の休暇に合わせて、家族との時間も作り出せます。まあ、このご時勢、私のようなパン職人の仕事に限らず、どこでも雇われて仕事するのも大変ですからね。3年前に独立して本当によかったですよ。

この休みの中から、「どんぐり理論」のとおり、子供の力を信じて放っておいたら、自分で学んでよかったなぁ、という話を2つご披露。
(Facebook、どんぐり倶楽部からの転載)

料理

どんぐり理論と子育ては、理解すればするほどシンプルで簡単だとわかってきました。

昨夜は子供たちが夕食にチャーハンが食べたいと言いだしたのですが、冷蔵庫にある冷やご飯は一人分ぐらいしかない。
「二人で半分こでいい?」
と、子供たちと会話していると、自分たちで作りたいと言い出した。
もうすぐ8歳の娘と6歳になったばかりの息子。
危なくないように(作業台の高さをあわせるために)、踏み台を持ってくるように指示して、あとは放っておきました。
ご飯が少ないのにニンジンを2本も剥き始めていても、何も言わない。
とにかく、尋ねられれば答えるけど、それ以外は余計なアドバイスなど何もせずに放っておいたら、一応できました。
途中玉ねぎを切りながら涙目で助けを求められたり、冷凍してあったズッキーニのソテーを電子レンジで解凍する方法を聞かれたりしましたが、それ以外は全部彼らがやりました。卵も入れていましたね、追加したものが結構多くて、量はしっかり二人分できてましたよ。

量の割りにニンジンがめっちゃ多くて、切り方が粗いので歯ごたえバリバリ、味も薄くて。。。。でも本人たちは自分たちで作ったので完食!自分たちでも、ニンジンについてコメントしたり、味についてコメントしたり、次はこうしよう~と言ったり。
私は、一口味見させてもらって、
「ちょっと味薄いねー、でも美味しいね。
二人が自分で料理してくれるとママとっても助かるわ~~!!!
また作ってくれるかな~?」
って言ったら、二人は大喜びで、毎週作るそうな。
きっと、どんどん彼らのチャーハンは進化していくでしょう。

私はパン職人でもあるし、割と料理は得意なので、「こうしたら良いよ」などアドバイスをしようと思えばいっぱいできます。
でも、あえてしない方がいいんだな、とどんぐり学んでわかってきました。
最初から手取り足取り教えたところで、きっと子供には定着しないし、それはただの、教えたい私の自己満足。
しかも、教えても子供に定着しないと、「なんで教えたのに、その通りにしないの?」って思ってしまうと思う。
自分で何度も試行錯誤して、いつか私に聞いてきた時に、聞かれたことだけ教えてあげようと思います。

どんぐりってとっても楽チン。

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初雪

年が明けてやっと初雪です!(いつもより2ヶ月遅い)
どんぐりキッズ達は暗くなるまで2時間以上も橇遊びしましたよ。

途中、雪でとある場所に滑走路を作ろうと5人であれやこれややってました。
私たち親は、「ああすればいいのに」とかコソコソ話すけど、子どもたちには教えない。教えなくても、だんだん彼ら自身で効率よくやる方法を見出していくもんですね。

そして、できたところで、実際にやろうとする子どもたちに、「ちょっと待った!!人を乗せてない橇を滑らせて見るよ。」とやってみせると・・・・・めっちゃ危ないやん!!絶対怪我するって!!!
ってことで、あんなにがんばって作ったけど使えないことが判明。

でも、文句も言わず、また芝生の傾斜のところに戻って遊んでました。17時40分、さすがにお外は真っ暗。おうちに帰りました。
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by deutschebaeckerin | 2017-01-06 22:18 | どんぐり倶楽部 | Comments(0)

私のマイスターコース時代のお話

皆様、あけましておめでとうございます。

今日は10年ぶりぐらいに、私のパン職人時代のお話の続きをご披露いたします。
本家「みちえのパン工房」の続きのお話です。
これらは4年前に専門誌B&Cに掲載したものです。

まずは序章ということで、ざっくり全体のお話をしておきます。
後日、試験の細部について詳しく書きますね。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

2006年1月、私はドイツのヴァインハイム製パン学校のマイスター試験準備コースに通い始めました。半年間、スイスにいる夫とは別居です。

ちなみに、ドイツ各州のパン組合の学校でマイスター準備コースを受講することができます。私はベルリンのゲゼレ試験でトップだったため、もし、ベルリンでマイスターコースを受講するなら奨学金をもらえるという賞品がありましたが、当時のベルリンのマイスターコースは仕事をしながら夜間や週末に受講するという1年以上かかるものだけでしたので、さすがに夫と別居するには長すぎると思い案は却下。義父母宅から車で1時間のヴァインハイムに決めました。ここは宿泊施設が併設されていて、朝から晩までドイツ語で勉強勉強勉強・・・その代わり、5ヶ月間で試験まで済んでしまいます。

ところで、朝から晩まで勉強という環境ですが、自分の好きなパンに関する理論や実技だけなら、それでもまだなんとかなりそうなものですが、マイスターというのは、お店を持つ資格を得ること、すなわち、経営のこともわかっていなければいけませんから、簿記の勉強あり、税金や従業員の社会保険や休暇について、はたまた若い弟子を教える立場になれるということですから、教育論もあります。学校の立地も市街から少し離れた閑静な自然の中・・・勉強するにはもってこいなのでしょうけど、同じ場所で朝から晩まで勉強ばかりしていると、だんだん嫌になってきましたね。

併設の宿泊施設は一般に開放されたホテルでもありましたし、職人向けセミナーに参加する人たちが泊まったりもするので、ホテルの朝食用パン作りは私たち生徒の仕事でした。割り当てられた日の前夜はサワー種などの仕込みをし、当日は朝4時から工房でパン作りです。実技の授業とは違って自分の裁量でパンが焼けますし、息抜きになってとても楽しかったです。もちろん、作ったパンはその日の授業の最初に、みんなの前で先生から批評を受けるというのが日課になっていました。パン作り担当の日は一日が長いこともあり、午後の簿記や教育論の時間はまさに睡魔との闘いでした。

当時は、仕事をしながらゆっくり勉強できるベルリンのようなパートタイムのコースの方が合ってたのではないか、と思ったこともありましたが、仕事をしながらシュトゥトガルトでマイスター試験に通った友人によると、ただでさえハードなパン職人という仕事の他に勉強までしなければいけないし、一年以上かかるとモチベーションの維持がだんだん難しくなってくる、と話していて、一長一短だなぁと思いました。

さて、2006年のマイスターコースの生徒は26人、半分以上が実家がパン屋だという跡継ぎ君たち。途中で一人脱落してしまいましたが、日本人は私を含めて3人いました。これは本当にたまたまであって、日本人はベッカライ・ビオブロートの松崎さんが私たちの数年前にご卒業されただけだと、先生がお話されていました。

マイスターコース初日は、自己紹介や先生の紹介があった後、筆記テストがありました。このテストの目的は、受講者の技術レベルのチェック。テスト内容は ゲゼレ試験と同じような感じだったので、事前にスイスでぱらぱらと昔のノートを見ていた私は、80点台は取れました。しかし、スイスのパン屋にいた私は、サワー種の熟成段階の計算方法とか ドイツらしいパンの発酵時間や分割重量などがあやふやになっていました。先生も、「マイスターコースは、日々の仕事で理論などの勉強から少し遠ざかっていた職人達にとって すごく良い機会。弟子時代とは違って実務での経験があるから、理解が深くなる。」と言っていたとおり、自分の弱点に最初に目を向けることができてよかったです。

私たちがコースに通った2006年からマイスター試験の受験資格が大幅に緩和されて、「職人として働いた経験が最低3年あること」という項目がなくなりました。結果として、数ヶ月前に職人試験に受かったばかりの経験の少なすぎる生徒が、マイスターコースに数人いて、彼らがなかなか勉強や実技についてこれないので、先生も困っていました。実際、一人は途中脱落、一人は試験に落ち、もう一人はきっと受かったのでしょうけど、卒業パーティーなどにはまったく顔を出しませんでした。

さて、製パンに関する勉強内容ですが、理論も実技もさすがに職人試験よりも高度で、「粉」だけでなく「卵」「牛乳」といった材料一つ一つについて、そして何よりサワー種について本当に詳しく長く勉強しました。おかげで、試行錯誤してレシピを作るのではなく、理論から導いてレシピを組み立てていけるようになりました。今でも全てが頭に入っているとは言えませんが、教科書やノートのどこを開けばヒントが載っているかは分かります。

f0141507_63276.jpgマイスター試験は2日半かかって、サワー種を使ったパン、雑穀パン、小型パン、デニッシュ、パイ製品、デコレーションケーキ、デザートになるようなケーキやプチフルール、その他に当日試験官からお願いされたパンやお菓子を2品、作るものは全てかなり大量です。そして、最後は作ったものを全てホールに運び込み、自分用に用意されたスペースに一時間でショーウィンドーを飾りつけます。皆、マイスター試験なんて一生に一度で初めてですし、普通、工房ではチームワークのところを、一人で計量から焼成、はたまた飾り付けまでしなければいけないのと、同じ日に試験を受ける9名で3台のデッキオーブンを共同で使うので、作る順番や時間をうまく話し合っておかないとオーブンの温度設定などで喧嘩になってしまいます。そんなわけで、思っていたより綿密に試験当日のスケジュールを決めておかないといけません。

それでも、なんとか時間に間にあって、みんなの作品が並びました。製パン、簿記、教育論、経営の筆記試験もそれぞれ半日から一日がかり、プレゼンテーションや試験前に提出する書類もなかなかハードでした。5ヶ月間ずっと試験のプレッシャーがあってよく勉強したので、試験が終わった時はやっと開放されて周りが見えるようになった感じでした。コースが始まった時は真冬だったのに、気づいたら木々の緑と太陽のまぶしい夏になっていました。 ゲゼレ試験の時も、その時なりに大変でしたが、やっぱりマイスター試験は外国人だとなかなかしんどいですね。
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by deutschebaeckerin | 2017-01-04 06:03 | パン | Comments(2)

どんぐり倶楽部ってなんですか?

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どんぐり倶楽部は、私はスイスで子どもの日本語学習のツールとして使っていますが、もともとは、日本語学習のためのものではなくて、日本の年長さん~6年生までの学習プログラムです。

「教育は裕福な人の特権であってはならない」という理念のもと、お金もかかりませんし、親子の負担もすごく少ないのに、とっても効果的です。

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よくいただくご質問
【どんぐり倶楽部ってなんですか?】
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糸山泰造先生が1985年から運営している、「過程を楽しみ、価値のあるものにする術をマスターする」理論をベースに子育てと教育をする方法。

「人生は過程そのものである、人生は結果ではない。
結果を重視しすぎて過程の楽しみ方を知らないと、人生を楽しめない。
どんぐり倶楽部では、人生を楽しみ、価値のあるものにする術をマスターする。」

独自に開発された算数文章問題を、絵図を描いて答えを導き出す方法が特徴。

「読める」とは発音できること
「分かる」とは発音からイメージしたものを見ることができるということ
「考える」とはイメージしたものを頭の中で移動変形させることができるということ

文章問題を読んで、それを絵図にすることにより、読解力と思考力、そしてじっくり物事に取り組む忍耐力、考え続ける力が養成される。計算問題や漢字書き取りを(考えずに)繰り返したり、量をこなして国語力を養成しようとする「多読・音読」と対極にある。

また、どんぐり倶楽部は、子どもの習性にも深く寄り添うため、日常生活の過ごし方にも多く言及する。上記に記したイメージを頭の中に作り出すためには、多くの実体験が必要なため、自然の中での自主的な外遊び、自然な時の流れを感じ、味わいながら生活することを推奨する。子育ては「慌てず騒がず穏やかに」教育は「ゆっくり・ジックリ・丁寧に」をモットーとしている。

どんぐり倶楽部の目指す「絶対基礎学力」とは<感味力>と<視考力>である。

どんぐり倶楽部は、家庭学習を推奨しているが、その理論や文章問題をベースに教育する教室は日本全国に限らず世界中にある。「教育は裕福な人の特権であってはならない」という理念より、フランチャイズ料は無く、教材は一度購入したら、教室で何度でもコピーして使って良いことになっているため大変経済的でお金がかからない。

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スイスどんぐり倶楽部でも、通学や待ち時間などの親子の負担がない「家庭学習」を推奨しているが、それだと、なし崩し的に続かないかもしれない不安のある方の拠り所となることを目的として運営されている。教室のレンタル料(月50フランを教室開催回数(週1回)で割り、さらに出席した生徒の数で割った金額)とコピー代等実費のみを負担いただく、「無理なく、無駄なく、効率的、経済的に、楽しみながら」日本語学習をすることをモットーとしている。
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糸山泰造(いとやま たいぞう)
1959年、佐賀県生まれ。明治大学商学部卒。コンピュータプログラマー、システムエンジニア、バーテンダー、シナリオライターなどさまざまな職業を経験しつつ、進学塾講師および塾講師の指導に携わる。85年より「どんぐり倶楽部」運営。オリジナルテキストや教材の開発から添削や保護者の教育相談まで、教育を子育ての一部という信念のもとに指導にあたる。著書に『絶対学力』『新・絶対学力』(文藝春秋)、『子育てと教育の大原則』(エクスナレッジ)、『絵で解く算数』(朝日新聞社)など。
reonreon.com
出典:どんぐり倶楽部 糸山泰造さんインタビュー その1 くらすこと
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by deutschebaeckerin | 2017-01-02 16:30 | Comments(2)