ミグロ

f0141507_16271774.jpgスイスでよく見かけるオレンジ色の「M」。
これはミグロというスーパーのマークです。
チューリッヒの空港内や中央駅にもあるので、旅行者の中にも利用する人が多いと思います。

私は2003年から約3年間、そこの社員として働いていたのと、去年のマイスターコースの教育論の実技試験で、「新入社員(というより弟子)教育」についてプレゼンテーションをし、この会社についても少し説明をするために情報をまとめたりしたので、それを今日は一部ご紹介します。





ミグロは1925年にGottlieb Duttweiler(ゴットリープ・ドゥットヴァイラー)氏によって株式会社として設立され、まずは5台の移動販売車からスタートしました。ミグロという名前の由来は、フランス語の“mi-(半分)” “Engros(卸売り)”を繋げたもの、つまり、「半分の量を卸売り価格で」という意味からきているそうです。というのも、当時は、大家族も多かったためパッケージはどれも大きく、少量を買うのは高くついたからです。そんなミグロの売り方はすぐに人気になったそうです。

Dutti(ドゥッティ、創業者の愛称)の考えは常に「人間中心」、会社の使命として文化に貢献していきたいとの考えから、“Kulturprozent(クルトゥーアプロツェント=文化パーセント)”を導入しました。これは、売り上げ額(純益のではなく!)の1%を文化・教育事業などのサポートに使うというもので、今でもずっと続いています。そのうちの一つが、Migros Clubschuleというカルチャーセンターです。

1941年にドゥッティ夫妻はミグロを消費者に譲る、つまり、生協化することに決めました。ひとりひとりの消費者が平等な権利をもって運営者となる、ということですが、当時のことは知りませんが、今は別に会員になる必要はなく、普通のスーパーと同じで誰でも買い物ができます。インフォメーションでポイントカードのような「CUMULUS(クムルス)カード」を作る(無料)と、2ヶ月ごとに、購買金額の1%分の商品券が送られてきますけど。生協ということで、働いていた私達のことを「社員」と呼ぶのもおかしいのかもしれませんが、実際のところ、近年は「営利追求」もすさまじく、特に2年前にALDIがスイスに参入してきてスーパー間の競争が激化してからは、人員削減とそれに伴う仕事量の膨大化で、特に私のいたパン部門は、毎日が締め切りで体力仕事ですから、ものすごくキツクなりました。

現在、ミグロの社員は約8万人。主な事業は相変らず小売業で、スイスを地域ごとにわけて10個の生活共同組合を作っていますが、いづれも未だにタバコとアルコールの販売はしていません。この生活協同組合の他には、8つの子会社グループがあり、その中にはガソリンスタンドのMigrol、Migros Bank(銀行)、チューリッヒにある百貨店 Globusなど55社があります。

さて、私が在籍していたのは、中央スイスのMigros Luzern(ルツェルン)という生協で、ルツェルン、ツーク他全6州、42支店をまとめているところです。約6000人の社員が働いていますが、入社して半年ほど経つとルツェルン本社で、会社の歴史や理念などを学ぶ一日研修などがありました。他にも「お客様は神様です」じゃないですけど、「笑顔で対応しなさい」とか「衛生」などの必須ビデオが年に一回ほど支店に届き、社員はそれを社員食堂で見て、見たら自分の名前のところにサインをするとかいうのもありました。特に、私のいたツークのメタリ支店(社員200人弱)というのは、支店長が自らよく動く人で、ツーガーランドというもっと大きい支店よりも、社内の雰囲気と社員の動き具合は良いようです。(どちらでも働いたことのある同僚やツーガーランドをよく利用するうちのダンナ談)

会社(生協)の方針である「平等」というのが、あまりにも強すぎて、ちょっとな~~・・・と思ったことは、福利厚生の一つである「社員食堂の利用」などでしょうか。もちろん、社員の中には利用しない人もいるでしょうから、有給休暇や保険とは違って平等性が落ちるとはいえ、社員食堂で食べられるものの値段が一般客と全く同じ・・・というのは驚きましたね。社員食堂とは言っても、お料理があるわけでもなく、サンドイッチ(これはおばさんが作るので安いですが、お店では売れないぐらい家庭的です)以外は、ヨーグルトやらジュースやらパンやら、ミグロ店内で売ってるものと同じで、しかも値段も一緒!一度などギップフェリ(クロワッサン)の値段がお店より高くて、クレームが出まくり元に戻ったこともありました。これは、どうも値段をミグロ・レストラン内のギップフェリの値段にしたからのようでしたが・・・、私など毎日400個近いギップフェリを焼いていたので、それを食べるのに普通に代金払うって・・・?とちょっと納得できないことも。ちなみに、パンを持ち帰ったり工房でかじったりすると、みつかった時点でクビになります。ま、8万人も社員のいる会社ですから、いろいろ厳しくしないといけないのかもしれないですけどね。
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by deutschebaeckerin | 2007-07-11 18:05 | スイスの生活 | Comments(0)


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