2007年 06月 29日
天然酵母 ②
サワー種の種起こしの場合の話ですが、仕込んで最初はいろんな菌(中には体に悪いものも)が数を増やします。そこで、間引きして粉と水を足してという作業を繰り返していくと、だんだんと乳酸菌と酵母が優勢になってきます。というのは、乳酸菌は発酵によって多量の乳酸や酢酸を作り出しつつ、環境のpH値を下げながらも増殖しますが、一方、多くの微生物は酸性の環境に弱いので死滅していくのです。自分に有利な環境を作り出しながら増殖する乳酸菌、そして、酸に強い酵母が生き残っていくのが、サワー種の起こし方なのです。
さて、この知識をふまえて考えると、とりあえず私の「サクランボ+蜂蜜酵母」ちゃんは、香りと状態から言ってもカビや雑菌が繁殖しているのではないようなので、第一段階クリアですね。しかし、「アルコール発酵」はパン生地作りの時にしてもらいたいもので、とりあえず今の段階で必要なものではありません。今は酵母ちゃんに数を増やしてもらうことが第一です。昨日書いた酵母のエネルギー獲得の方法のうち、呼吸することによって生き続けて増殖し続けてもらう方が良いと思いますし、実際、酸素がある状態の方が増殖には良いのです。
ドイツの教科書によると、呼吸によるネルギー獲得の方法は以下のとおり。
C6H12O6 → 6CO2 + 6H2O
糖 → 二酸化炭素 + 水
つまり、二酸化炭素はどちらにしても出るということなので、泡がぶくぶく出ているのは酵母が生きている証拠の一つなのでしょうね。
そして、糖をエサにしながら呼吸する時の条件は
- 十分に酸素があること
- 環境の温度が26℃を超えないこと
と書かれています。
一方、酵母にとってのアルコール発酵の最適な条件は
- 酸素がないこと
- 環境の温度は27℃~38℃
つまり、酵母の「有酸素呼吸」と「発酵」の最適温度は違うということのようです。有酸素呼吸の時の方が増殖しやすいので(無酸素の発酵の時でも増殖はありますが)、パン生地作りと同じ感覚で温かいところにおいておくのは、酵母作りにおいては、ちょっと違うといということのようですね。最初に書いたとおり、私の酵母ちゃんはアルコールを作りだしているので、すこし水で薄めてあげて、またエサとして少し蜂蜜を入れてあげて、空気が入るように時々かき混ぜてあげたいと思います。
(しかしみちえさんのレシピはひとつのバイブルですね。)
あと、ヴァインハイム式は冷蔵庫で3日ぐらい置いておいてOKです!
お嬢さん、大変!そんな高熱・・・心配ですね・・・。お大事に。