サクランボ

スイスは今、サクランボの季節です。特に私の住むツークは、「ツーガー・キルシュトルテ」が有名なように、サクランボの木が沢山あって、どこの農家もキルシュ(蒸留酒)を作っています。この時期は農家の前の歩道にパラソルを出して、車で通る人にサクランボを売るところもたくさんあって、週末のハイキングの帰りにも、サクランボを売っているところをよく見かけました。サクランボとは違いますが、このような直売の中でも「いいアイディアだな」と感心したのは、「とれたて新鮮レタス」と書かれていた無人スタンドをハイキング客の駐車場の近くに出してた農家さんです。うちはもともと友達と一緒にハイキングをする予定だったので、歩いた後に美味しそうな、爽やか献立の材料を土曜日に買って準備してましたが、その日思い立ってハイキングに行ってたら、「帰って何食べよう~?」なんて考えていたと思います。そんな時に、「とれたてレタス」なんて見かけたら飛びついちゃいますよ~。実際私たちが通った時には、すでに売り切れちゃっていました。

話が逸れましたが、私もこの時期は近くのいつも卵を買う農家さんでサクランボを買います。そこは3種類のサクランボがあるようで、2週間ほど前に初物を買った時は、小ぶりで実の柔らかいタイプのものがキロ4フラン(400円弱)で出ていましたが、先週からアメリカンチェリータイプ(キロ6フラン)が出てきて、今週は山形さくらんぼタイプ(キロ5フラン)もやっと出てきました。私はこの山形さくらんぼタイプのが一番好きです。
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収穫時期はあと10日ぐらいで終わりだとか。この時期は近所の方もお手伝いされているようで、いつも見かけない方々もカゴを背負ってせっせとサクランボをとってます。それにしても、どこも昔からありそうな細い木の梯子を、ただ単にふわっと木に立てかけて、高いところまで上って作業をしてるんですよ~、ひ~~。見てるだけで結構怖い!そんなに安定性があるとは思えないんです。そして、とって来たサクランボは農家の小屋の中で選別して、食用に売る用と蒸留酒にする用に分けています。

それにしても、今年はとっても雨が多くて、ほぼ毎日降っているんですが、農家の奥さんも、浸透圧でサクランボが破裂しちゃうから困るとおっしゃってました。それに、昨日は地元の新聞に、ツークの果樹園で葉や実が焼けたように枯れる病気が流行っていて、これはサクランボは当てはまらないようですが、りんご、梨、カリンといった果実の被害が大変なのだと書かれていました。私の贔屓にさせてもらっている農家さんも、もちろんいろんな果実の生産もしてます。心配の種は尽きませんね・・・。

さて、最初に書いた「ツーガー・キルシュトルテ」というのは、ドイツの製パンマイスターコースでも、「キルシュトルテといえば?」というので「シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテ(黒い森のケーキ、ブラックフォレスト・ケーキ)」と並んで出てくるほど、専門の人には有名なものなのですが、世界的に有名なシュヴァルツヴェルダーほど誰もが美味しいと思うケーキではないので、地元以外にはあまり有名ではないですね。一応私もツークのお店のをいくつか試してみましたが、どちらかというと勉強というか知識のためであって、美味しい!もっと食べたい!とは思いません。

さて、どんなケーキなのかというと、一言で言うとキルシュ(蒸留酒)をめいいっぱい吸い込んだスポンジを真ん中にして、周りにバタークリームを塗り、ケーキの上下をナッツ(スイスだからきっとへーゼルナッツ)入りの薄い焼きメレンゲで挟んで、上から粉砂糖をふったものなんです。というわけで、シュヴァルツヴェルダーと違って、サクランボは入っていません。お酒のキルシュが酔うほどいっぱい入ってるケーキなんです。もちろん、ドイツのシュヴァルツヴェルダーも生クリームをキルシュで香り付けしますし、子供も参加するようなパーティーでは出さないか、お店に頼んでキルシュ抜きにしてもらったりしますけれどね。

小さなツークですが、ケーキ屋は沢山あって、どこもツーガー・キルシュトルテを出していますが、地元で一番人気なのは、駅前のマイヤーがダントツですね。私も一番美味しいと思いました。この店、プレゼンテーションが下手なのかお店のデコレーションはイマイチですが、マロングラッセもいろいろ食べ比べて、私はマイヤーのが一番美味しいと思いました、お薦めです。ちなみに、私の元同僚は、このケーキで有名なトライヒラーで、30年以上ツーガー・キルシュトルテを作り続けていたおっちゃんなんですが、彼も「個人的に一番美味しいと思うのはマイヤー。」と断言してました。あとは、意外ですがミグロのも悪くないです。これはおっちゃんも同意見。店内の工房で作ってますから、ミグロだからといって工場製というわけではないですからねぇ。他のお店は包装とかプレゼンテーションは上手ですから、そそられますけど。ま、もちろん人それぞれの味覚は様々。だからこそ、どの店も潰れずにやっていけてるわけですから、ご贔屓のお店が他という方、怒らないでねっ。

Confiserie Meier
Alpenstrasse 16
6300 Zug
041 711 10 49
http://www.diezugerkirschtorte.ch/
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by deutschebaeckerin | 2007-06-21 17:33 | スイスの生活 | Comments(13)
Commented by Etsuko at 2007-06-21 20:58 x
おいしそうな写真ですね。そう、山形さくらんぼはほんとにおいしいですよね。2年前初めてさくらんぼ狩りにいって数キロ食べました(^^)ドイツではりんごの季節にやはり道端で売ってますね。スイスって住んでる人にはあまり人気ないですね。あのハリポタの翻訳者は税金が少し日本より安いという理由でスイスに住所票移して問題になったのをご存知ですか?日本の子供達のおかげで儲かったくせにほんとになんて人間だ。日本に還元しろと言いたいですね。すみません、話が飛びすぎて。スイスというとすぐハリポタ翻訳者のことが頭に浮かんで・・・。
Commented by deutschebaeckerin at 2007-06-21 21:09
ハリポタの翻訳者の話、私もネットニュースで読みました。そうでしょ、そういうこと言いたくなりますよね。スイスってね、でもそういう国なんです。お金が大好きで、他の国の人ががんばって作り上げた会社の本社機能だけ誘致して税金優遇したり、「永世中立国」っていうのを看板に、ダブルスタンダードもいいとこ、お金関係やりたい放題です。待っててください、今EUがバシバシ叩いてるところですから。あ、ちなみにうちは別にダンナが金融で働いているわけでもなく、税金のためにここに住んでるのではないから言いたいこと言えるわけですけど。
Commented by Etsuko at 2007-06-22 14:25 x
スイスってそうだったんですか。知りませんでした。その昔かの犬養道子氏(ご存知ですか?)がヨーロッパに住んでいる時に書きまくったドイツやフランスやスイスについての本(かの地べた褒め、日本批判)に少し思考を左右されてました。スイスは2週間程見て回った事があります。今でも20歳、でしたっけ、の女の子は花嫁学校みたいな所に行かなければいけないっていう決まりありますか?
Commented by deutschebaeckerin at 2007-06-22 17:11
ま~、夫もここでは外国人(しかもスイス人の大嫌いなドイツ人)ですし、毎晩ドイツとスイスのニュースを両方見てますし、スイス発信の情報だけ見てる人よりはいろいろ気づく点も多いかも。ちなみに、好きなところ、良いところもスイスはいっぱいありますし、ドイツが見習うべきだと思うところも沢山あると私は分かってます。でも、スイスって自分の欠点を指摘したりされたりするのが苦手な国だなとは思います。私は読んでませんが「黒いスイス」って本が結構いろいろ事実を書いてるようですよ。書評を見てると、そんな感じがします。
犬養道子氏って名前は昔聞いたことがあるような・・・。本は読んだことないです。花嫁学校のことは私は聞いたことないですね~。
Commented by Michie at 2007-06-22 22:27 x
なんと、今まで気がつかなかったのですが、うちにはさくらんぼうの木が植わっているんです。ずっと実がならなかったから、知らなかったんですよね。
それが、今年はたくさんなってて。でもザウアーキルシェなんで、そのまま食べるには酸っぱいんです。
きのう、隣の奥さんにも、「取りにおいでよ」って誘いに行きました。そうしたら彼女の庭になってるフェンネルをもらっちゃいました。
ぢつは、料理したことなかったんです。
奥さんの言うように、火を通してからチーズ焼きにしてみましたが、ビミョーです…。私の料理のウデに問題があるんでしょう…ねぇ、やっぱり。
Commented by deutschebaeckerin at 2007-06-22 23:44
ザワーキルシュだなんて、羨ましい~~~!!ジャム作ったらいいじゃないですかー。ツークでザワーキルシュ作ってるとこ、ないみたいなんですよねー。何年か前に農家の人などいろいろ人に聞いたりしたんですけど、誰も知らないっていわれて。
お隣の方、フェンネルを家で植えてるんですかー。なんかいろいろ作ってる人なんですね。ビミョーってわかります。私は薄切りに縦割りにして焦げ目が付くように火を通すんですが、それはとっても美味しいですよー。でも、この美味しい食べ方にたどり着くまで8年かかりました。それまでは、ダンナがすきというから作ってたものの、イマイチそこまで好きではなかったんです。
Commented by tan at 2007-06-23 00:02 x
 ザワーキルシュなつかしい! ドイツではそっちの方が多かったような気がするんですが。東独に住んでいた時は、なぜかそのへんの野原に果実樹がたくさん生えていて、さくらんぼも取り放題で、ジャム作りましたー! 日本では、「佐藤錦」とか生食でおいしいですよね。でも、最近、盗難で大変!ってご存知でした? 何だかせちがらい世の中。
Commented by tan at 2007-06-23 00:07 x
連続ですみません。犬養道子さんって、暗殺された犬養毅のお孫さんでしたよね? まだ御存命なんでしたっけ……(って相当失礼?)
とってもエリート意識の強い方と言う印象で、私はあんまり共感できませんでしたが、すごーくヨーロッパがお好きですよね。スイスについて書いたもの、私もよんだことがあります。清潔で、リベラルで…って今とずいぶん違うイメージかもしれないですね。
Commented by deutschebaeckerin at 2007-06-23 00:10
tanさん、ドイツはいろいろあっていいですねー、自生してうるなんてすごいですね、でもま、ここでも家の前の元コンポストだったとこにさくらんぼ生えてます、でも、残念ながら普通のさくらんぼです。
盗難のニュース、聞きました。そういうの憤りを感じてしまいます。大事に育って、やっと収穫ってところででしょう?どうしてそんなことができるのか理解できません。給食費を払わない問題とか、自分さえよければいいっていうの多すぎますよね。権利の主張ばっかりで、日本人ってそんな人たちでしたっけ?って残念に思います。義務を果たさない人、罪を犯した人に対してもっと厳しく対応するしかないのかも。
Commented by Etsuko at 2007-06-23 13:11 x
犬養道子さんは、そうです。犬養毅の孫で、まだまだバリバリ現役で現在婦人の友に連載書いてますよ。といっても本買ってませんが・・。娘が高一の時国語の時間にそのエッセイ読んで「偽善的だ!」と切り捨てておりました。みちえさん、実はその昔、私も友の会のハシに名を連ねておりました(--);でも、家計簿は最高6ヶ月間だけ、金時豆を煮崩れなしに煮る事も出来ず、落ちこぼれました・・。でも、セールのためにケーキを焼きまくりそれはとてもいい経験と自信になりました。友の会のレシピは使いませんでしたけどね。
Commented by deutschebaeckerin at 2007-06-23 15:14
Etsukoさんも友の会とは!!セールとか、すっごい懐かしい響き・・・。セールの商品の規格、厳しいんですよね。チーズスティックの生地を10gずつ計る作業の手伝いを子供の頃にしたのを覚えてます。でも、私は夏休み子供お料理教室みたいなのに、小学校の時に参加した程度で、家のことそっちのけで友の会にのめりこむ母を見て育ちました(笑)。母の場合は、家計簿講習会でスピーチしたりしてました。でも、それは全て大阪在住時の話で、関東に引っ越してからはもう友の会はやめてしまったんですけどね。
Commented by さんぼ at 2007-07-01 16:54 x
こんにちは。
だいぶ前にHPのほうで挨拶をさせていただいた南ドイツ在住のさんぼです。
更新を楽しみにしていました。
ネットで知り合った方が、半年ほど前から近くの街のパン屋さんで、一年間の研修を受けているのですが、やはりもっと深く学びたいとのことで、滞在を延長して職業学校に入学する決心を先日されて、やはりパンと言うのは奥が深いんだなあと感銘し、みちえさんのことを思い出してHPを開けたところ、こちらが紹介されていたので、嬉しくてとんできました。

ところで、わたし、サワーブラーテンが大好物なんですが、いろいろ試した結果、私の口にはみちえさんのレシピが一番合います。あの、数日前から漬け込む作業が、なんだかとても大がかりな料理をしている気分になって嬉しいですよね。

みちえさんの文の中にサクランボはあと数週間で収穫が終わるということを読んで、大好物なものですから昨日あわてて2kg買ってきました。楽しんで食べなくては。

また度々読ませていただきたいと思います。
Commented by deutschebaeckerin at 2007-07-02 17:18
さんぼさん、こんにちは。覚えてますよー。美味しそうな塩をぱらぱら底にふるDampfnudelnのことを書いてくださった方ですよね。Sauerbratenも試してくださったそうで、ありがとうございます。お口にあったなんて、光栄です。サクランボ・・・今週で終わりって言われたんですが、今日も雨。農家の方が気の毒です。雨の中の作業は大変でしょうし。今日も買いに行きます!


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