やっぱりドイツパンが好き

2013年7月の原稿より

出会いと別れの季節といえば、日本では春ですが、ここスイスでは夏休みが終わったところからが、新学年のスタートです。そして、我が家では4歳半の娘が幼稚園に入園します。

生後8ヶ月から4年間通った保育園とも7月半ばでお別れで、最後の2週間ほどは、保育園でも家に帰って来てからも、時々悲しくて泣いてしまっていました。

そして、お別れ会当日は、これからの幼稚園生活が上手くいきますように、との願い事を書いた風船を飛ばして、私と一緒に作ったミニマフィンをクラスの皆で食べ、手作りのプレゼントをもらって、本人も吹っ切れたのかすっきりした顔で帰ってきました。

8月半ばからは幼稚園のスタートで、娘にとっても私たち親にとってもまた新しいステップへの挑戦です。というのは、保育園と違ってお昼で終わって帰って来ますし、年間5回も2週間以上の休みがあるので、そこをどうやって仕事と両立して乗り切っていくのか、いろいろな人に手伝っていただかなければいけなそうです。

そのため、この夏から、福岡のパン職人の女性が3ヶ月間うちへ来きてくれることになっています。スイス滞在中、彼女はドイツ語コースに通いつつ、子供たちの幼稚園・保育園の送り迎えや家事育児のサポートをしてくださることになっています。

日本からどなたかに来ていただこうと考えたのは、スポンジのようにいろんなことを吸収してヨーロッパで日々成長する子供たちに、日本人の良い部分を身近に感じてもらいたいと思ってのことです。来てくださる彼女は、今のところ3ヶ月で日本へ帰られる予定ですが、ここへ来てから考えが変わるかもしれませんので、オープンチケットをお勧めしました。

ドイツでのワーキングホリデービザは、ヨーロッパのドイツ大使館やドイツの外人局でも年齢制限にひっかかっていなければ簡単に取得できるそうなので、スイス滞在の後にドイツで働いてみてもいいですしね。

実は、5月に7年ぶりにベルリンへ家族みんなで十日間行ってきたのですが、とても刺激的でした。特に嬉しかったのは、私が修業したお店がますます魅力的に大きく発展していたことでした。当時でも、ホテルやビオ店など卸先が70軒ありましたが、店舗は本店とマルクト出店だけでした。現在はベルリンの人気地区プレンツラウアーベルクの支店とカフェをはじめ4店舗に増え、パン工房は手狭になったために引越しをして、以前はパンとお菓子部門が一緒に使っていた本店の工房はお菓子部門が2シフト制で使っているそうです。大きくなってはいますが、相変わらず売り子さん達の雰囲気はすごくいいし、商品説明もしっかりしていて、当時でも良かったパンの品質もさらに向上した印象を受けました。

実際、最近ほかの用事でヴァインハイム国立製パン学校の先生と話す機会があったのですが、私の昔の修業先はもしかしてあの店か?と聞かれたので、そうです、とお答えしたところ、シェフィン(女性の社長)がよくセミナーに参加していて、とても感じの良い人だ、良いお店で修業したね、とおっしゃって頂きました。そんなお店で修業できたことに、感謝と誇りの気持ちが沸き、私もがんばらなくちゃ!と良い刺激とパワーをもらいました。

その他にも、私たち夫婦が住んでいた十年以上前にはなかったような、オシャレさと技術力を併せ持ったパン屋さんがいくつかできて、ベルリンの人たちの支持を集めているのを見て、私も身軽だったら、ぜひとも今のベルリンで働きたい!と真剣に思いました。うちへ来てくださる彼女にも、まず我が家でヨーロッパの生活とドイツ語に慣れた後、せっかくなので、ドイツやベルリンで働いてみて欲しいのが本音です。

そんな風に思ったのも、なんとなくスイスに来て最初の職場こそビオやフォルコーンのパンが作れたものの、お給料未払いなどの問題が多くて辞めて依頼ずっと、どこか満足していない自分が常にいるからかもしれません。

去年から働き始めたパン屋さんは小さくて、自分のアイディアを商品化する融通の利くところだったので、まずは地元日本人をターゲトに餡子入りクロワッサンを提供し、次は何をしようかと楽しみにしていたのですが、昨夏になって突然、新しいことは全てストップという状態になり、直後に、他店に買収されるというお知らせがありました。

そして、今年1月1日から工房は変わらないまま、新しいオーナーと新しいチーフの下で私は働いています。私は買収された側の人間なので、週2日とはいえ、今年の初めは少なからずストレスを感じながらのスタートでした。その後、新しいチームにも馴染んで、やっと落ち着いてきたところだったのですが、年始のゴタゴタを嫌って辞表を出した人たちがこの夏にこぞって辞めてしまうので、その後、どうなるのか?少し不安ではあります。

私も長い目で見て、私の原点といいますか、ベルリンで学んだビオやフォルコーンのパン作りができる職場に戻りたいのが本音ですが、私は稼ぎ頭の夫をサポートする立場ですので、やはり家事育児の分担は私が多く引き受けるべきですし、小さな子供を二人抱えてフルタイムは無理なので、新しい職場を探すのは簡単ではありません。今のような週2日の仕事を子供が生まれてから新たにみつけられたのは奇跡的でした。また、職場が買収された後も、新しいオーナーが私の勤務条件を変更することなく続けさせてくれていることにも、とても感謝しています。それでも、より私に合った仕事をみつけたいと、常にアンテナを張り巡らせつつ、今与えられた仕事を一生懸命やって、将来の糧にできるようがんばっています。

私がベルリンで働いていたお店は、Beumer und Lutumです。

当時、うちにベビーシッターに来てくれた女性は今、自分のパン屋さん「ういぱん」をやっています。
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by deutschebaeckerin | 2017-05-18 05:32 | スイスの生活 | Comments(0)


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